SLActiveインプラントは、ワルシャワで2005年9月に開催されたEAO(European Association for Osseointegration)で、発表されたインプラントです。
SLActiveインプラントは、初期段階での骨形成プロセスが早く開始されるため、多くのインプラントの治癒期間が12〜24週かかるところ、3〜4週間で荷重をかける事が可能とり、初期固定も安定します。
その優れた特性と信頼性により、SLActiveは世界的に高い評価を得ています。 そして日本でも2014年3月に厚生労働省の認可を受け、取り扱いが可能となりました。
SALctiveの最大の特性は、その表面性状にあります。 血液が表面の奥深くまで行き届く親水性のある性状をしており、その微細孔に、血液やたんぱく質を引きつけ、骨との結合のプロセスを早めます。
インプラント体の表面のチタンは、製造直後は親水性(水分となじみが良い性質)が良好ですが、大気に触れることで炭化化合物が精製され、しだいに表面が疎水性(水分をはじく性質)に変化していきます。
物理化学的に説明すると、チタンの表面エネルギーが水分子のエネルギーより大きければ、水分子はチタンに引き付けられようとしる力が働きます。逆にチタンの表面エネルギーが水分子より小さいと、チタンと水分子は反発しようとする力がはたらきます。
こうしたインプラント表面性状を画期的に改良して開発された製品がSLActiveインプラントです。
プラズマ処理により、表面積は極限まで拡大され、徹底した酸処理により、疎水化の原因である炭化素を完全分解除去し、超親水性の表面を作り出しました。
また、製造と同時に保存液に密封されることにより、大気との接触は遮断され、オペのために開封されるその瞬間まで、表面の超親水性は維持され続けます。
インプラントが骨内に埋入されると、疎水性表面には体液中の細胞接着阻害因子(アルブミン)が吸着してしまいますが、それとは反対に親水性表面には細胞接着因子(フィブロネクチン)が優先的に吸着するため、多くの骨芽細胞(骨に成長分化してゆく血液中の骨の初期細胞)が集まり、早期の骨形成反応は著しく促進されます。
こうして結合した超親水性のチタン表目と骨組織は、今までのインプラント体よりも早期の骨結合を達成し、極めて短期間の上部構造の装着が可能になったのです。
そうした特性は、数々のデータによっても実証されています。
2011年にヨーロッパでは実際にヒトによる繊維学的試験が行われました。それによると、SLActiveインプラント骨結合実験では、従来の一般的なインプラントと比較して、インプラント埋入ope後2週間で+20%、4週目で+50%の骨接触率(インプラント表面と新生骨の接触面積の割合)の増加がみられたという事です。
また、インプラント埋入後の骨細胞の石灰化(骨の緻密化)が、3週後でSALctiveインプラントのほうが従来のインプラントより10倍以上達成されたというデータもあります。 時にはインプラント埋入時、土台となる骨は平たんな形態でなく、裂開していたり、一部欠損していたりすることがあります。
しかし、SLActiveインプラントは、こうした骨のダメージを従来のインプラントより埋入後2週間で+40%、4週後で+25%もの割合で、骨の回復率を上昇させることが、実証されています。 日本においても認可前、SALctiveインプラントの埋入オペ後の治療期間(上部構造への治癒期間)に関する治験が行われています。
その治験は、東京医科歯科大学、および東京歯科大学の水道橋病院と千葉病院の3つの施設で3つの施設において、2010年12月から2012年8月までの間に80名を対象に行われました。 治験で得られた多くのデータはSLActiveインプラントの早期治癒性を顕著に示し、認可へと至りました。
また、SLActiveインプラントが健康な顎骨に用いられた場合、早期荷重を行っても、従来までの通常荷重の場合に比較して、骨のレベルに差はほとんど生じず、インプラントの残存率に差がない事も実証されました。
このようにSLACtiveインプラントは、従来のものと比べ初期段階での治癒が早く、治癒過程での重要な機関に非常に高い安定性を得ることができる、体に優しいインプラントなのです。
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